AKB48を消費する二つの視点

 まず、拙い文章であり、AKB48に関しての知識も不十分なので、何かあればご指摘お願いします。



 AKB48について、ネガティブな印象を抱いている人も少なくないと思われるが、そのような人々も含め、非常に多くの人々に認知されてきていることは、同意を得られると思われる。
 
 もちろん、AKB商法に象徴されるような過剰な販売方法が報道されたことにより、「叩く材料」となったことも要因の一つだろう。

 しかし、ある程度の人気を得ていることも事実だろう。そこで、その人気について考えてみたい。

 
 まずこのグループの特徴は、その人数の多さを活かした多様性だろう。

 AKB48ほど、あらゆる雑誌の表紙を飾った存在を私は知らない。

 週刊プレイボーイヤングジャンプの表紙やグラビアから、篠田麻里子前田敦子ら個人の活動による『MORE』などの女性誌のモデル、『De View』など幅広い。これは、幅広いメンバーの年齢層によるところだろう。
 
 それに加えて、全国握手会など、「会いにいける」というコンセプト、成長を一緒に見ていくことができることも注目を呼んだ要因と考えられる。 

 
 しかし、ここでは、AKB48の楽曲から考えてみたい。その中でも、曲調も合唱曲を取り入れたりと注目する要因があるのだが、特に歌詞について考えてみたい。

 そして、キーワードは、「共感」という視点と「萌え」という視点の両立である。

 AKB48は、秋葉原を拠点として始まったこともあり、当初は、男性向けに作られていたと考えられる。

 そのため、歌詞も、「萌え」という視点が重要視されていたと考えられる。これは、こんなことを歌っている彼女達に萌えというメタ的な視点である。

 初期には、このような楽曲が多かったように感じられるし、旧チームBは、この視点が強く出ている楽曲が多かったように感じられる。

 シングル曲でも、「桜の花びらたち」、「会いたかった」、「制服が邪魔をする」、「軽蔑した愛情」と明らかに、「萌え」を意識した楽曲であると考えられる。

 そして、その流れが頂点に達するのが、「初日」である。

 「初日」は、2009年のリクエストアワーセットリスト100の一位に選ばれた曲である。この曲の特徴は、彼女達の具体的な苦労を彼女達自身が歌うというものであり、自己言及的であるということである。

 しかし、時は前後するが、レーベルが変わったあたりから、シングル曲において、女子中高生達がベタに「共感」するような曲へとモデルチェンジを果たしていく。

 レーベル変更後のシングル曲は、「大声ダイヤモンド」、「10年桜」、「涙サプライズ!」、「言い訳Maybe」とオリコンランキングでも、安定して、3位以上を獲得し、知名度を上げていく。これらの曲は、女子中高生にありがちな心情を歌っている。そもそも、盛り上がれるアイドルの曲は、モーニング娘。のヒットからもわかるように、女子も求めているのである、しかし、重要なのは、そのアイドルが好きと言うことが出来ることであり、そのためには、「共感」出来る歌詞は重要な要素である。そして、もちろん、これらの曲は、男性にとっては、「萌え」の視点から解釈することも可能なのである。

 そして、「共感」の視点からの受容を通して初めて、女子中高生もこんな歌を歌っている彼女達がかわいいという「憧れ」の視点からの受容も起こるのである。加えて、女子中高生の人気は、男子中高生にも伝播することになる。

 このように、AKB48は、まず、「萌え」という視点を用意し、その後に、「共感」という視点を加えることになり、男性の支持に加え、女性の支持も獲得することになり、人気を呼ぶことになったと考えられる。



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